循環器の病気

お子さまの心臓や血管の病気を専門に診る分野です。
心雑音や不整脈、先天性心疾患などの専門的な評価、日常的な体調不良の中に隠れた心臓の問題にも目を向けながら診察しています。
「風邪かと思っていたけれど、少し気になる」
「健診で心雑音を指摘された」「運動時に息切れが気になる」など、ちょっとした心配でもご相談ください。
一般小児科と専門診療の両面からお子さまをサポートし、必要に応じて適切な医療機関とも連携しながら、丁寧に診察・評価を行います。

こんな症状はありませんか

  • 健診で「心雑音」を指摘された
  • 動悸(ドキドキ)が気になることがある
  • 脈が速い・遅い・不規則と言われた
  • 胸の痛みや違和感を訴える
  • 少しの運動で息切れしやすい
  • 運動中や運動後にぐったりすることがある
  • 顔色や唇の色が悪い(紫っぽくなることがある)
  • めまいや失神(気を失うこと)がある
  • 体重の増えが悪い、ミルクや食事の進みが悪い(乳児)
  • 風邪をひくとゼーゼーしやすい・長引く
  • 心電図異常を指摘されたことがある

これらの症状があっても、必ずしも心臓の病気とは限りませんが、気になる症状がある場合は一度ご相談ください。

先天性心疾患とは

先天性心疾患とは、生まれつき心臓の形や血液の流れに異常がある状態のことをいいます。
赤ちゃんの心臓はお母さんのお腹の中で作られますが、その過程で一部に変化が起こることで発症します。決して珍しい病気ではなく、およそ100人に1人の割合でみられるとされています。
先天性心疾患にはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしては以下があります。

主な病気

心室中隔欠損症(VSD)

心室中隔欠損症は、心臓の左右の心室を隔てる壁に穴があいている状態です。 小児の先天性心疾患の中でも比較的多くみられ、大きさによって症状や治療方針が異なります。

動脈管開存症(PDA)

動脈管開存症は、本来生後まもなく閉じるはずの血管が開いたまま残っている状態です。 心雑音で見つかることが多く、状態に応じて経過観察や治療を行います。

心房中隔欠損症(ASD)

心房中隔欠損症は、心臓の左右の心房の間にある壁に穴があいている状態です。 症状が目立たないこともありますが、成長の中で詳しい評価が必要になることがあります。

ファロー四徴症

ファロー四徴症は、いくつかの心臓の異常が組み合わさった先天性心疾患です。 唇や爪の色が紫色っぽく見えるチアノーゼがみられることがあり、専門的な診療が必要になります。

主な症状

  • 心雑音を指摘される
  • ミルクの飲みが悪い、体重が増えにくい
  • 息切れしやすい、呼吸が速い
  • 顔色や唇の色が悪い(紫っぽくなる)
  • 風邪をひくと悪化しやすい
  • ※症状がほとんどなく、健診で初めて気づかれることも少なくありません。

治療

  • 経過観察(自然に良くなることを期待する)
  • お薬による治療
  • カテーテル治療(体への負担が少ない治療)
  • 手術
  • ※すべてのお子さまがすぐに治療を必要とするわけではなく、「定期的に経過をみていくこと」が大切な場合も多くあります。 

不整脈とは

不整脈とは、心臓のリズム(脈)が乱れる状態のことをいいます。
脈が速くなったり、遅くなったり、不規則になったりする状態を指します。
小児でもみられることがあり、多くは心配のいらないものですが、詳しい評価が必要な場合もあります。

主な病気

期外収縮

通常のリズムの合間に、早いタイミングで心臓が拍動する状態です。 小児では比較的よくみられ、多くは心配のないものですが、頻度が多い場合には詳しい評価を行います。

心室性頻拍

心室から異常な電気信号が出て、脈が速くなる状態です。 頻度は高くありませんが、注意が必要な不整脈であり、専門的な評価が必要です。

上室性頻拍

突然脈が速くなる発作を繰り返す不整脈です。 動悸や不快感を伴うことがあり、発作時の対応や治療について検討が必要になります。

徐脈

脈が通常よりも遅くなる状態です。 症状がない場合もありますが、めまいやふらつきなどがある場合には詳しい検査を行います。

主な症状

  • 動悸(ドキドキする感じ)がある
  • 脈が速い・遅い・とぶ感じがする
  • めまいやふらつきがある
  • 胸の違和感や不快感がある
  • 失神(気を失うこと)がある
  • 運動中や運動後に気分が悪くなる
  • なんとなく元気がない、疲れやすい

治療

  • 経過観察(自然に良くなることを期待する)
  • お薬による治療
  • カテーテル治療(体への負担が少ない治療) 

川崎病とは

主に乳幼児(特に4歳以下)にみられる原因不明の病気で、全身の血管に炎症が起こります。
発熱や発疹、目の充血などの症状がみられ、心臓の血管(冠動脈)に影響が出ることがあるため、早期の診断と治療が大切です。

主な症状

  • 5日以上続く発熱
  • 目の充血(目やにが少ないのが特徴です)
  • 唇が赤く腫れる、いちごのような舌(いちご舌)
  • 発疹(体や手足に出る)
  • BCG注射痕の腫れ、手足の腫れや赤み
  • 首のリンパ節の腫れ

治療

  • 入院治療:川崎病が疑われる場合は、基本的に入院して治療を行います。
    全身の状態をしっかりと管理しながら経過をみていきます。
  • ※川崎病は早期に適切な治療を行うことで、重い合併症を防ぐことができる病気です。
    「発熱が続いている」「いつもと様子が違う」と感じた場合は、早めにご相談ください。 

心筋症とは

心筋症は、心臓の筋肉(心筋)の働きに異常が生じる病気です。
心臓の収縮や拡張がうまくいかなくなることで、全身に血液を送り出す力に影響が出ることがあります。
種類や程度によって症状はさまざまで、無症状のこともあれば、息切れや動悸などがみられることもあります。

主な病気

拡張型心筋症

心臓の筋肉が薄くなり、心臓が大きく広がってしまう状態です。 心臓のポンプ機能が低下し、息切れや疲れやすさがみられることがあります。

肥大型心筋症

心臓の筋肉が厚くなることで、血液の流れが妨げられることがあります。 動悸や胸の痛み、運動時の症状がみられることがあります。

主な症状

  • 息切れしやすい
  • 動悸(ドキドキする感じ)がある
  • 疲れやすい、元気がない
  • 胸の痛みや違和感
  • めまいや失神
  • 運動時に体調が悪くなる

治療

  • 経過観察(症状が軽い場合は、定期的に検査を行いながら経過をみていきます)
  • お薬による治療
  • 生活管理(運動量の調整など、日常生活の中で心臓に負担をかけないように管理していきます) 

胸痛とは

胸の痛みは、お子さんでもみられる症状ですが、多くは心配のいらない原因によるものです。一方で、まれに注意が必要な病気が隠れていることもあるため、症状の経過をみながら判断することが大切です。

主な症状

  • チクチクした痛み
  • 短時間でおさまることが多い
  • 押すと痛い(筋肉の痛み)

受診をおすすめするサイン

  • 以下のような場合は受診をおすすめします。
  • 痛みが強い、または長く続く
  • 運動中に胸が痛くなる
  • 息苦しさを伴う
  • 顔色が悪い、ぐったりしている
  • 動悸や失神を伴う 

心雑音とは

心雑音とは、心臓の中を流れる血液の音が通常とは異なって聞こえる状態のことをいいます。
健診などで指摘されることが多く、小児では比較的よくみられます。
多くは心配のいらないもの(機能性心雑音)ですが、まれに心臓の病気が隠れている場合もあるため、必要に応じて詳しい評価を行います。気になる場合はお気軽にご相談ください。

主な病気

機能性心雑音

心臓に異常がないにもかかわらず聞こえる雑音です。 成長とともに自然に目立たなくなることも多く、特に治療を必要としない場合がほとんどです。

病的心雑音

心臓の構造に異常がある場合に聞こえる雑音です。 先天性心疾患などが原因となることがあり、詳しい検査が必要になります。

こんなときはご相談ください

  • 健診で心雑音を指摘された
  • 息切れしやすい、疲れやすい
  • 運動すると体調が悪くなる
  • 体重の増えが悪い(乳児)
  • 顔色や唇の色が気になる

治療

  • 経過観察(症状が軽い場合は、定期的に検査を行いながら経過をみていきます)
  • お薬による治療
  • 生活管理(運動量の調整など、日常生活の中で心臓に負担をかけないように管理していきます) 

起立性調節障害とは

起立性調節障害は、自律神経の働きがうまくいかず、立ち上がったときに血圧や脈の調整が乱れることで、さまざまな症状が出る状態です。
特に思春期のお子さまに多くみられ、朝起きづらい、立ちくらみがあるなどの症状が続くことがあります。

症状

  • 朝なかなか起きられない
  • 立ちくらみやめまいがある
  • 動悸(ドキドキする感じ)がある
  • 気分が悪くなる、失神することがある
  • 頭痛や倦怠感がある
  • 午前中は調子が悪く、午後になると改善する
  • 学校に行こうとすると体調が悪くなる

治療

  • 薬を使わない治療:こまめな水分・塩分摂取、座ってからゆっくり立ち上がる、適度な運動、夜更かしの改善
  • お薬による治療:症状が強い場合には、血圧を調整するお薬などを使用することがあります
  • 周りの理解とサポート:周囲から理解されにくいこともありますが、病気であることを理解し、無理をさせない環境作りが重要です

検査

必要に応じて血液検査、超音波検査、心電図検査などを行います。